フォルヴィア、2件目の契約獲得で北米の水素事業を加速

世界第7位の自動車技術サプライヤーであるフォルヴィアは、大手クリーンエネルギーテクノロジー企業に北米市場の大型商用車向け水素貯蔵システム「タイプ4」を提供する契約を獲得し、2025年の生産開始を予定しています。これは、今年北米でフォルヴィアが獲得した2件目の水素貯蔵ソリューション契約であり、要となる水素市場でフォルヴィアが業務を拡大していることを示しています。

フォルヴィア最高経営責任者（CEO）、パトリック・コラーのコメント：
「今回の2件目の契約獲得は、北米市場の水素モビリティ事業におけるフォルヴィアの勢いを反映しています。また、当社のグローバルな存在感と、この地域における当社の戦略的アプローチの強さを証明しています。担当チームは節目となる今回の目標に到達するため、精力的に取り組んできましたが、成長する顧客ベース向けに業界トップクラスの水素貯蔵ソリューションを提供できる機会に沸き立っています。モビリティの脱炭素化競争が世界中で繰り広げられている今、水素や電気自動車（BEV）で広範にわたる技術ポートフォリオを有するフォルヴィアは、この分野で脱炭素化を加速するうえで有利な立場にあります。」

北米市場におけるフォルヴィアの地位を強化

米国では水素をめぐる動向に明らかな勢いがあり、「地域水素ハブ」設置の発表でさらに拍車がかかっています。この取り組みにはバイデン米政権が70億ドルの投資資金を拠出しており、低コストでクリーンな水素の国内市場育成を目的としています。

北米の水素貯蔵市場には、幅広いチャンスやニーズがあります。フォルヴィアは、大型車両から中型・軽トラックに至るセグメントをカバーする貯蔵システムの強力なポートフォリオや、水素のモビリティにとどまらず、流通や輸送のための用途を備えており、こういったチャンスやニーズに対応する上で優位な立場にあります。今回の新契約受注により、フォルヴィアがこのダイナミックかつ活況な市場に大きな影響を与えることは間違いありません。

信頼性が高く、サステイナブルかつ革新的な水素貯蔵ソリューションを提供するというフォルヴィアの決意は、これまで以上に強力です。また、北米の水素貯蔵産業の成長とサステイナビリティに貢献することを待ち望んでいます。韓国、中国、フランスで生産が続くなかで、製造拠点を北米にも拡大する予定です。

地域における戦略的パートナー

ステランティスは今年前半、フォルヴィアやミシュランとともに、燃料電池の開発と生産の世界的リーダーであるシンビオの出資パートナーになりました。シンビオとフォルヴィアの水素貯蔵システムは、水素ドライブトレインの75%をカバーし、合計の売上高は2030年までに35億ユーロに達する計画です。

2021年の第2四半期以降、シンビオの北米法人であるSymbio North Americaは北米市場での地位を急速に確立しました。シンビオは、大型燃料電池トラックのデモンストレーションである「Symbio H2 Central Valley Express」プロジェクトなどサステイナブルな輸送において顕著な成功を収めており、地域輸送におけるシンビオの燃料電池技術の信頼性を浮き彫りにしています。さらに、2023年5月にシンビオは水素燃料電池自動車のパワーシステムおよび組立のための新しい施設をカリフォルニア州テメキュラに開設し、次世代システムの生産を目ざしています。いずれのプロジェクトも、米カリフォルニア州の2045年までのカーボンニュートラル目標に対するシンビオの取り組みに同調したカリフォルニア州エネルギー委員会が支援しています。

当社の急速な成長には、米国に燃料電池ギガファクトリーを建設する計画も含まれており、北米におけるクリーンかつサステイナブルな輸送ソリューションの推進における極めて重要な役割が強調されています。