コネクテッドで多彩、夢中になるコックピット
車内空間は、運転や仕事、くつろぎ、友人との交流などの時間をシームレスに切り替える、今日のコネクテッド・ライフスタイルの延長線となるでしょう。ラスベガスで開催されたCES 2020で、フォルシアはインテグレーション専門知識と技術ポートフォリオを満遍なく活用して再設計した、米国ベストセラー車のフォードF-150のインテリアを展示しました。スケーラブルかつアップグレーダブルなソリューションにより、自動車メーカーおよびモビリティ提供者が安全性やユーザ ・インタラクションをどう改善できるかだけでなく、どのように一人ひとりの快適さをカスタマイズし、車内エクスペリエンスを豊かにできるかをご紹介しています。
コネクテッドな生活へのデジタルサービス
車内のコネクティビティの向上に伴い、自動車は私たちがオンラインで行うすべての動作を可能にするデジタルイネーブラーとなります。フォルシアとマイクロソフトはエッジコンピューティング、人工知能、クラウドサービス、コックピットシステムの統合における専門知識を組み合わせることで、乗員が車内でもコネクテッドを維持し、生産性と娯楽を継続できることをめざしています。この協業により、快適性、ウェルネス、インフォテイメントを改善するサービスを開発し、協働プラットフォームとオンデマンドコンテンツへのアクセスを通じて、家庭やオフィスから車内へのデジタル連続性を可能にしました。クラウド接続されたコックピットにより、例えば音響の向上、エンターテイメントオプションや車内サービスのパーソナライズなどで自動車メーカー、モビリティ提供者、お客様が車内環境をアップグレードすることが可能になります。
ウェルネス向上のための五感エクスペリエンス
フォルシアと戦略パートナーであるマーレの協業により、車内エクスペリエンス向上のため車内インテリアおよびシートの異なる機能を統合し、コネクテッド化しています。降車時には満足感があふれるような、快適な個人空間を作り上げることに焦点を当てました。皮膚温度、心拍数あるいは呼吸速度、血圧を測定するウェアラブル端末もしくは車内搭載カメラからリアルタイムで収集したデータを自動車が管理し、それをもとに移動中の車内の空気分布や温度設定の調節を実行します。ストレス、疲労、車酔いを検知した場合、乗員にリラックスやリフレッシュをもたらす五感エクスペリエンスを提供します。長く乗っていただくことで、人工知能と状況解析がユーザ嗜好を予測できるようになります。
一人ひとりの乗員に快適な温度を提供し、より短時間で各自が快適さを感じられれば、省エネルギーと燃費向上にもつながります。フォルシアとマーレのソリューションは車内全体の温度設定ではなく、特定の体の部位のみへの調整が可能な設計になっています。放射パネルをシート、計器盤やコンソール、ドアパネルと一体化させ、一人ひとりに合ったよりエネルギー効率の高い温度調節を実現します。
アプリストア向けソリューション
フォルシアと独立系Androidアプリストアの最大手の1社であるAptoide は、世界の自動車市場に向けたAndroidアプリストアのソリューションの開発および運営のための合弁会社を設立しました。手ごろな価格ながらも高セキュリティで、さらに地域ごとにコンテンツが調整できる全世界対応の自動車用アプリ市場をOEMメーカーに提供します。Aptoideアプリストアでは、ゲームや道案内、コンテンツ・ストリーミングサービス、POI(ポイント・オブ・インタレスト)表示、そして駐車場などでの幅広い使用例を網羅する100万ものAndroid向けアプリを取り扱っています。また、Aptoideは自動車および乗員のデータプライバシーを守りつつ、自動車メーカーのサービス収益化戦略をサポートする、統合された安全な支払い方法を提供します。
高度なカスタマイズが可能な先進ディスプレイソリューション
曲線や複雑な造形、自動ディスプレイの調整技術を取り入れた電子ディスプレイは、ますます大型化・複雑化する一方です。自動車メーカーが自由にインテリアをカスタマイズでき、すべての乗員にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できるようにすることがフォルシアの目標です。私たちは人間工学、安全性、美学にフォーカスし、触覚インターフェース、触覚の相互作用性、3D形状の表示ディスプレイをはじめとするスクリーンやディスプレイの分野を幅広く網羅する機能性を統合しています。高画質画像とインタラクティブな画面を提供するディスプレイの技術および統合、コックピット・アーキテクチャ、電子機器などの分野における、フォルシアならではのコア・コンピタンスはお客様の役に立つでしょう。
ディスプレイシステムのユーザ・エクスペリエンスを最適化するソフトウェアプラットフォーム
2020年にフォルシアが買収したカナダのスタートアップ企業IRYStecは、知覚と生理学を活用してディスプレイシステムのユーザ・エクスペリエンスを最適化する、世界初のソフトウェアプラットフォームです。
この包括的なソフトウェアソリューション は、運転手の視力と環境光に基づいてディスプレイをパーソナライズし、低コストながらもより安全で快適なユーザ・エクスペリエンスの提供を実現します。いかなるディスプレイの種類、サイズにも適用できるこの技術は、最大30%の省エネ効果と熱的加熱の低減だけでなく、感知できる明るさとコントラストを最大30%向上します。
すべての乗員のための統合安全性
同乗者がすべての座席で安全な姿勢が確保できているかを確認するため、エアバッグやシートベルトなどの安全機能はシートに直接統合されています。「先進多目的構造(AVS:Advanced Versatile Structure) 」と名付けられたこの技術により、乗員は安全かつ効率的に運転、リラックス、仕事ができます。スマートな動特性により、座席を倒す、上げる、調整する、回転させる、元の位置もしくは運転姿勢にスムーズに素早く戻すなどの動作が簡単に行えます。ZFとフォルシアは戦略的パートナーシップによる協業で、乗員が取る可能性のある様々な姿勢に対するインテリア・ソリューションと革新的な安全性を開発しています。
スマート、スムーズ、安全なアクチュエーションで安全性を向上
フォルシアのスマートアクチュエーション技術は安全機能、コネクテッドサービス、快適性を提供するコックピットシステムに完全統合されています。これらには幅広い使用例とニーズが網羅されており、統合シートベルトシステム要件と、自動運転とドライバーによる運転への切り替えを含む自動運転車の要件のレベル3およびレベル4に準拠しています。乗員の姿勢の正確な検知や低いH点との適合性だけでなく、スムーズな停車・発進や騒音低減能力により、乗員にとっての感性品質(PQ)と性能が向上しています。